斜面の安定解析で使うソフトをいろいろ試しています。
それぞれのソフトの解析法を説明するとこんな感じです。
大きくは「極限平衡法」と「有限要素法」の2つに分けられます。
○極限平衡法 (LEM):安全率の判定
この手法は、滑り土塊を複数のスライスに分割し、その「力のつり合い」から安全率を算出するものです。
円弧滑りを想定し、モーメントのつり合いを考慮する標準的な手法です。

モーゲンシュテルン・プライス法(SSAP2010): スライス間の水平・垂直力の両方を考慮する厳密解法。
ランダム探索により非円弧状の最小安全率面を抽出します。

○有限要素法 (FEM):破壊メカニズムの特定
使用ソフト:ADONIS(せん断強度低減法:SSR)

FEMは上の図のように地盤を単純な形の小さなパーツに切り分けて計算する手法です。
ひつひとつのパーツがどの様に変形していくかを細かく計算していきます。
計算された結果は、下図のようにどこが大きく変形するかを示すことになります。

安全率は、地盤強度(c,ϕ)を段階的に低減し、計算が収束しなくなる限界点から算出します。
滑り面を事前に仮定しないため、層境界等の弱部における「ひずみの集中」を自動的に捉え、破壊に至るプロセスを詳細に評価できます。
と、いうわけでざっくりとした計算で出した安全率はHYRCANの安全率1.4で、そこからもっと詳細に解析するとSSAPの安全率1.2となり、現状ではとりあえず安定している。
ADONISのFEM解析でみるとひずみの発生している箇所はやはり斜面にそって円弧状に広がっていること、斜面の下側で赤くなっていて、ここにひずみが集中しているから、もし対策するならここを中心に進めるのが良いのでは。
こんな感じですね。
いろいろ勉強になりました。