樹冠遮断量

森林の中に降る雨は、樹木の葉っぱなどに遮られ、降雨のすべてが地表に届くわけではありません。
この遮られた量を、「樹冠遮断量(じゅかんしゃだんりょう)」といいます。
樹冠遮断量は、林外雨量から林内雨量を差し引くことで求めることができます。
現在、土壌水分計を設置している調査箇所も、この目的のために林内と林外の2箇所で雨量観測を行なっています。
林内雨量とは、
1.樹冠に当たることなく葉っぱの隙間を通って直接林床に届く雨
2.いったん樹冠にあたって葉っぱから滴下する雨
3.樹木の幹を伝って流れる雨
この3つのことを指します。
林内雨量の観測には、林内でのバラツキがあるため複数ヶ所に雨量計を設置しておくことが必要です。
残念ながら、現在私達が観測している林内雨量は1箇所のみです。
しかも樹幹流は観測できておりません。
機会があれば、観測してみたいです。
ちなみに樹冠遮断率は、平均的には20%程度と言われています。
年間1600mmの雨が降った場合、320mmの雨は遮断されて地表に届かず、蒸散していることになります。
このため、森林があると下流へ供給されるべき水は少なくなるということになります。
森林がないほうが、水は豊かになる?

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