地盤の破壊現象の対策

地盤の破壊現象について、いろいろ書いてきましたが、それぞれどんな対策をとればよいのでしょうか?
基本的には、これらの問題はすべて「土と水」に関係するものです。
「ヒービング」に対しては、土が回り込んで押し出すことを抑制すれば良いのですから、
1.土を強くする。→土を改良する。
2.山留め壁をしっかり造る。→深くまで壁を入れておく
などが、あります。
「ボイリング」に対しては、水圧の差が問題となるので
1.山留め壁を深くまで入れておいて、地下水の流れる経路を長くする。
2.周辺の地下水位をくみ上げて、地下水位を下げる。
3.山留め壁を難透水層まで入れておき、水の流れを止める。
4.地盤改良により地盤を強くする。
などが、あります。
「盤膨れ」に対しては、水が地盤を持ち上げるのですから、
1.土の重さを大きくする。→地盤改良など
2.水の力を小さくする。→地下水位をくみ上げて低下させる。
3.水が入ってこないように遮断する。→山留め壁を長くする。
などが、あります。
このような基本的な考えのもと、対象となる現地最も効率の良い対策方法を選定していきます。
地下水をくみ上げる場合には、周辺での井戸水の利用なども確認しておくことが必要です。
経済的(工事費用)も考慮しておかなければいけません。
いずれの対策も事前の調査をしっかりしておくことが肝要です。
地盤の破壊現象をまとめると下の様になります。
掘削底面の破壊現象 のコピー.gif
「トンネル標準示方書(開削工法)土木工学会」より引用

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