平地の造成宅地の液状化による被災

都市部などの平地の造成宅地における液状化による被災パターンには次のように分類されると考えられています。
平地の宅地造成被災パターン.jpg
図中のタイプA-1
水平地盤において液状化層厚が一定で、液状化層上面が浅いところにある場合
→全体に地盤の沈下が発生するため家屋の傾斜は生じないが、建物自体はめり込み沈下を生じ、これに伴い傾斜も生じる。
図中のタイプA-2
水平地盤において液状化層厚が一定であるが、液状化層上面が深いところにある場合
→地盤の液状化は全面にわたって一様に発生するため家屋の傾斜は生じない。建物自体のめり込み量も少ない。
問題ないと考えられるが、広域に地盤が沈下すると自然勾配で流下している下水道などに影響がでる。
図中のタイプB-1
水平地盤で液状化層厚が場所によって大きく異なり、液状化層上面が浅いところにある場合
→地盤の沈下量が場所によって異なるため家屋に沈下が生じる。また、建物自体のめり込み沈下が生じるため、これによる傾斜も生じる。
図中のタイプB-2
水平地盤で液状化層厚が大きく異なるが、液状化層上面が深いところにある場合
→地盤の沈下量が場所によって異なるため家屋に傾斜が生じる。めり込み量は少ない。
図中のタイプC-1
護岸背後の水平地盤で護岸のはらみ出しにより地盤の流動が生じる場合
→地盤の流動により地表面が傾くため建物も傾く。
図中のタイプC-2
緩やかな傾斜地盤で地盤の流動が生じる場合
→地盤の流動により傾斜地盤の上流では地表面が陥没し、下流では盛り上がるため地表面が複雑に傾く。液状化層上面が浅いところにある場合にはめり込み沈下が生じる。さらに傾斜地盤の上部では建物に水平方向の引張ひずみが発生し、下部では圧縮ひずみが発生する。
このように地盤は一様ではないことが多いため、いろいろな条件が重なって被害が発生することになります。
「地盤工学会誌Vol.61No.4SerNo.653」より引用

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