地下水の循環速度

河川の水の流速が毎秒数センチから数メートル、一日では数キロか数十キロであるのに対し、帯水層中を流れる地下水の流速は一日に数センチから数百メートル程度で、平均的には一日一メートル程度といわれています。
下の表は地下水が循環する時間、つまり水が入れ替わる時間を示したものです。
水の循環速度.gif
深いところにある被圧地下水の中には、人間がくみ出したりしないかぎり、非常に安定で動きがほとんどないものもあります。
地下水と地表水のこのような流速の差は、地表水が一年間のうちで何回も入れ替わり循環するのに対して、地表水は数十日から数千年に一度の割合でしか循環できないことを示しています。
動きが遅い被圧地下水は、水量が豊富で、ポンプで容易にくみ上げて利用出来るのが特徴で、人間にとっては非常に都合の良い地下水となります。
ただし、動きが非常に遅く涵養量が少ないため、被圧地下水を大量にくみ上げると、ときには枯渇したり、地盤沈下の原因になったりします。
「見えない巨大水脈 地下水の科学(日本地下水学会)」より引用

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