耐力壁としての土壁

現在、土壁は耐力壁として認定されています(建設省公示第1100号)。
実際のところ、土壁の力の受け方はどのようになっているのでしょうか?
土壁には以下のような抵抗を示すことがわかっています。
1.土壁の隅角における圧縮抵抗
 土壁の角の部分が抵抗する。
2.貫(ヌキ)のこじりによる抵抗
 柱と柱の間に入る貫部分で土壁が抵抗する力
3.間通し竹のダボ的な抵抗
 柱に差し込まれた間通し竹がダボの役割を担い、抵抗する力
4.軸組仕口の抵抗
 柱、梁、土台などの抵抗力
5.壁土のせん断力による抵抗
 土壁全体が変形に対して抵抗する力
などがあります。
土壁の壊れ方.gif
これらの力の配分は下図のようになるそうです。
土壁の負担割合.gif
この図は、変形角度が進行していく過程で、どの部材がどれだけ抵抗力を負担しているかを示したものです。
これをみると、薄い茶色の部分となる1.土壁の圧縮抵抗、2.貫のこじりによる抵抗が全体の8割近くを占めていることがわかります。
つまりは、土壁を耐力壁として考えるとき、土壁自体のつくり方が最も重要になるといえます。
土壁の強度は塗りに影響する。
手を抜いてはいけない重要な仕事になるわけです。
責任重大です。
図と文章「チルチンびと別冊34左官と建築」より引用

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