土壁が呼吸する

「土壁が呼吸する」という言葉を耳にすることがあります。
感覚的には、土壁や漆喰などの塗壁が湿調性の性能を持っていることを表している言葉だと理解はできます。
が、実際のところはどうでしょうか?
土壁は、砂、粘土の土と藁などにより構成されます。
土の粒と粒の間には隙間が空いていることは理解できるでしょうか?
土にはその隙間にいろいろな水分を保持する機能を持っています。
その種類には、
 1.土粒子間の比較的大きな空隙を重力によって移動する「重力水」
 2.土粒子表面の引力によって吸い寄せられる「吸着水」
 3.毛管現象によって取り込まれる「毛管水」があります。
これらの水分の保持する能力を活かして、空気中の水分を取り込んだり、放出したりすることが土の中で自然に行われています。
土壁が呼吸する.gif
これが、土壁の湿調性の機能の秘密です。
空気中の水分を吸って吐く。まるで呼吸しているかのようです。
図と文章「チルチンびと別冊34左官と建築」より引用

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