森の中に降り注ぐ雨の量を観測しています。
正式には樹冠通過雨量と言います。
林内には雨量計を5箇所、林外に1箇所、設置して観測しています。
その観測結果の一部がこんな感じになります。
一番上のグラフが林外の雨量の通常の降水量となります。
下の他のグラフが林内の雨量になります。
よくみると林外の総雨量75mmに対して林内の総雨量で110mmや97.5mmと林外の雨量よりも林内の雨量のほうが大きくなっている箇所があります。
普通に考えれば、森の中に降り注ぐ雨の方は葉っぱに遮られて、森の外の雨より少なくなるはずなのですが、実際にはそうならないようです。
不思議ですね。
最初は雨量計の故障も考えましたが、そうでもなさそうです。
雨量計の上空には葉っぱが生い茂っています。
おそらく葉にあたった雨が集水されて局所的に雨が降り注いでいるのではないかと思われます。
このため、ある場所では通常の雨よりも少なくなり、また別のある場所では通常の前よりも多くなる現象があちこちで生じているのではないかと予想されます。
もちろん、季節的な変化、落葉樹や常緑樹なので樹種などもよって異なってくると思います。
そんなわけで、森の中に降り注ぐ雨の形態は複雑であることがわかってきました。