表面流の発生

林床の違いで、表面流の発生はどの程度変わるでしょうか?
実験データがありました。
荒廃ヒノキ林、間伐ヒノキ林、広葉樹林の3つの表面流を観測した結果です。
表面流の観測方法は、2m×0.5mの小さなエリアを対象としたものです。
結果は、
荒廃ヒノキ林→流出率41%
間伐ヒノキ林→流出率28%
広葉樹林 →流出率28%
と、なっていますが、かなりまとまった雨に対しての結果であり、少ない降雨の時には、荒廃ヒノキ林と間伐ヒノキ林との流出率は逆転することもあるようです。
このように小さなエリアでは、大きな降雨では差は顕著に出てくるようですが、少ない降雨では明確な相違は出にくくなっています。
ただし、比較的大きな流域単位でみれば、やはり荒廃ヒノキ林の方が流出率は高いようです。
流出率を比較する場合には、降雨の大きさやスケール(流域の大きさ)による相違もあるようなので、注意が必要になります。
「ヒノキ人工林流域における表面流の発生と流域の降雨流出特性(水利科学No.311 2010)」より引用

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