地下水のpH低下

地下水が地表面から深く空気(酸素)が到達しにくい岩盤中に存在するとき、還元状態にある場合が多くなります。
これが、トンネル工事等で掘削されると空気に接触しやしやすい酸化状態になり酸化反応が進みやすくなります。
さらに「鉄酸化細菌」により酸化が加速されることで急速にpHが低下していきます。
岩盤中に硫化鉱物が含まれる場合、硫黄分(S)が酸素と反応して酸性化が進む(pH低下)場合があります。
例えば、代表的な硫化鉱物である黄鉄鉱(FeS2)は酸化的環境下では、下のような反応により硫酸H2SO4を生じ、水素イオンを発生させるため酸性化が進むこととなります。
2FeS2+3O2+2H2O→ 2FeSO4+H2SO4
さらに鉄細菌が存在すると、反応は急激に進むようになります。
4FeSO4 + O2 + 2H2SO4→2Fe2(SO4)3+2H2O
この状態で、右辺の水溶液は赤くなります。
「地盤工学会誌Vol59No.2SerNo.637」より引用

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