毎回観測している沢の状況です。
前日に30mm程度の雨が降っていました。
思っていたよりも、かなりの水量増加となっています。
通常であれば30mm程度の雨ではここまでの流量にはなりません。
この地域は積雪地帯です。
ここ数日の気温上昇と降雨により雪が一気に溶け始めたのが影響しています。
一般に雪の比重は、湿った雪で0.3から0.5程度と言われています。
普通の水であれば10立方cmの体積では1kgとなるわけですが、
雪の場合は同じく10立方cmあたりでは0.3から0.5kgとなるわけです。
アメダスでこの地域の前日からの積雪量の記録を見ると、10cm積雪量が低下していました。
10cmすなわち100mm分の体積の雪が溶けたことになります。
これを雨の量に換算すると30から50mmの降水量に相当することになります。
あくまでも概算ですが、前日に降った雨30mmにさらに30から50mm程度の融雪量が追加され、合計として60から80mm程度の雨が降ったことになります。
これだけの降水量であれば、この沢の水の増水状況も納得できます。
そんなわけで、積雪地域の沢の水量の変化は雨だけでなく、積雪量や気温、融雪量などが関係してくるので、その関係性はますます複雑になります。