津波による倒木

津波による被害で、東北地方の海岸林にも影響が出ています。
海岸林の被害状況をみると次のような特徴があるそうです。
津波倒木.gif
1.幹折れ
 樹齢30年以上のマツで樹高を超えるような津波に襲われたために、幹から折れているもの。
2.倒伏
 樹齢10年から30年程度の若い樹木で幹がしなやかなため、幹折れがおきず根から倒れ曲がるもの。
3.根返り・流出
 樹木が押し倒されて根の大部分が地上に浮き上がった状態のもの。
1.幹折れ、2.倒伏などは根がしっかりと張っていて、ある程度頑張って倒れたという感じになりますが、3.根返り・流出は根の垂直方向の発達が悪く津波に耐え切れず根から押し倒されていることがわかっています。
もともとマツは地下水面が低く乾燥気味の土地を好むものですが、根返りしたマツの多くは地下水面の高い所に植えられていたために根の発達が妨げられてものと考えられています。
海岸林にはマツが良いというのを鵜呑みにしてどこもかしこもマツを植えるべきではなく、その土地の性状を見極め、適切な場所に植えていくべきだと考えます。
山間部でも急斜面のスギ林の倒木がよく見かけられます。同じようなことがいえるのではないかと思います。
「森林飽和(大田猛彦)NHKBooks」より引用

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