シルトと粘土

シルトと粘土似ているようで、やっぱり違います。基本的に粒の大きさで区分されます。肉眼では判断できません。でも、さわった感じがちょっと異なります。
シルトは少し手にとって、指先と指先でするつぶしてみます。当然、砂ではないのでザラザラ感はありません。でも水につけてみると、何となく「ツルッ」としています。粘土の場合は、水につけてすりつぶしてみると、何となく「ねちゃねちゃ感」があります。
見た目が一緒だから同じ区分でいいように思われますが、ちゃんとした訳があります。
粘土みたいにとても細かい粒子(顕微鏡で見ると薄片状にみえる)は、微視的構造(めちゃめちゃ小さいミクロの世界)で他の粒状の砂とかシルトとかとは異なる性質を持ちます。
①粘土の粒子には表面電荷といって電気的な力を持っていること、②小さな粒の表面には吸着水と呼ばれる水分子がくっついていること、③比表面積がきわめて大きいこと、という3つの特徴を持っています。
ちなみに、粘土の粒の比表面積は・・・一辺が1cmの立方体の表面積は6cm2ですが、この中の粒の1個1個がもつ表面積を全部合計すると、なんと60,000cm2(=6m2)になります。
とても小さな粒にとても小さな力が働いている。でもこれがとてもとてもたくさんあって、すごい力(自由に形を変化する)を発揮している。
この特徴が土のもつ力に大きく作用するために、区分されて考えるようにされています。まだまだ解明されていないことがたくさんあり、今も研究が進められています。

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