樹冠と土壌その2

それでは今度は、地表面に着目してみましょう。下図(c)のように樹木を無しにして、コンクリートではなく土壌にしてみます。
表面が土壌の場合は、降った雨は土壌粒子の間を通って土壌中に浸透していきます。
対象となる土壌が水を通しやすいか、通しにくいかにより、その流れは変わってきます。
水を通しやすければ、降った雨はすぐにしみ込んで基盤(岩盤)まで到達し、すぐに川へと流れていくでしょう。
逆に土壌の小さな隙間に吸い込まれた水はそのまま長い間保持され、ゆっくりと河川へと流出するはずです。
さらにこの土壌の表面に樹木を植えたらどうなるでしょう?下図(d)
降った雨は、まず樹木により遮断され蒸発していきます。樹木の間をすり抜けた雨は、今度は土壌中にしみ込んだりして、地下水へと供給されたりします。
さらに樹木は根っこから水分を吸収して大気中へ蒸散してしまいます。
このように森林において水の動きを捉えることは非常に複雑になります。
降雨遮断02.gif
「森林水文学(森北出版)」より引用

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