樹冠遮断(じゅかんしゃだん)

降雨として森林土に供給された雨水は、そのすべてが森林土壌に供給されるわけではなく、その一部が樹冠(樹木の葉、枝、幹などの表面)や地表に積もった落葉などによって遮られます。これを降雨遮断といいます。
このため林内雨量は、樹冠通過雨量(葉や枝をする抜けた雨)と樹幹流下量(木の幹を伝って流れる雨)、さらに樹冠によって遮られた雨(そのまま蒸発)に分けれます。
樹冠通過雨量は、上に覆い被さる葉の分布状況によって大きく異なります。なので、この雨量を正確に測ることはとても難しいこととされています。
私も林の中に林内雨量計として雨量計を設置していますが、1箇所のみなので、厳密には正確とは言い切れません。
樹冠流下量は、林外雨量に対する比率が小さいため、量的には無視されることが多いですが、最近では水質変化に与える影響もあることが判明しており、注目され始めています。
残念ながら、私の調査地では観測できていません。
いずれにしても林内の雨量を正確に把握することはかなり困難となります。

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