樹幹直下の土壌水分

森林内で土壌水分の観測を行っています。
昨年度から樹幹流(木の幹を伝わり落ちる雨)の観測にも手を付けました。
現在は、樹幹流と土壌水分の関連を調べています。
こちらが、樹幹直下に土壌水分計を設置している地点です。
P6080132.jpg
昨年8月頃から観測を開始し、10月20日より樹幹を遮断してみました。
こんな感じです。
P6080138.jpg
その結果がこちら。
樹幹直下の土壌水分.JPG
土壌水分の変化がはっきりと現れました。
比較対象としている林内の土壌水分との違いが明瞭です。
樹幹流を遮断する前は、樹幹直下の土壌水分(茶色)と林内の土壌水分(緑)は降雨に連動した同じような変化を示していますが、樹幹流遮断後は、樹幹直下の土壌水分は、明らかに降雨に対する変動が緩やかになりました。
これをみると、降雨が地表に浸透していく過程において樹幹流の影響はかなりあるのではないかと想像できます。
今まで降水は樹冠(樹木の隙間)を通過した雨が面的にしみ込んでいくことをイメージしていましたが、それに加えてそれぞれの樹幹からパイプを打ち込んだように降水を供給していることも考える必要があることがわかりました。
ますます複雑な様相が浮かび上がってきました。
自然の仕組みは恐ろしく奥が深いです。

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