土のせん断強さ

土に力が加えられたときに、土はどのような条件になると壊れてしまうのでしょうか?
モノの壊れ方には3つの形態があります。
1.
たとえば、鉄筋棒を引っ張って行くと、ある時点で引きちぎれます。
このときの力を「引張強さ」と呼びます。
2.
逆に、鉄のパイプを両側からどんどん押し縮めていくと、これもある時点で、変形し始め最後には破壊します。
この破壊するときの強さを「圧縮強さ」といいます。
3.
もうひとつあります。
柱と柱の間に梁があるとします。
その梁はある部分が切断されていたのですが、接着剤でつなぎあわせてあるものです。
その梁の真ん中に力を加えます。
そうすると梁を中心にしてせん断力が働きます。
このせん断力で、弱い部分である接着面が、ずれるようにして壊れます。
このような現象を「せん断破壊」といいます。
以上のように壊れ方にもいろいろあります。
引張破壊、圧縮破壊、せん断破壊のどの形態で破壊するかは、材料の特性により変わってきます。
下の図は、代表的な材料の比較を示したものです。
代表的な強度特性.gif
土の場合は、圧縮強さ>せん断強さを持ち合わせており、引張強さはありません。
そして、土が破壊するときの大部分が「せん断破壊」によるものであることがわかっています。

カテゴリー: 土と水について タグ: パーマリンク