スウェーデン試験

戸建住宅の地盤調査として採用されている試験方法です。
おそらく新築される住宅では間違いなく実施されている試験です。
この試験方法は、下の図のような装置を使って行います。
スウェーデン試験.gif
1.最初は、先端にスクリューポイントと呼ばれる尖ったものがついている鉄の棒の上におもりを載せていきます。
おもりを載せた時に沈んだ量を計測していきます。
2.どんどんおもりを追加して行き、最終的に100kg(1,000N)までおもりを載せます。
3.おもりを載せきった後は、鉄の棒自体を回転させていきます。
25cm貫入するのに何回転かかったかを記録していきます。
4.貫入不能になったところで終了です。
二人で人力にて簡易的に実施することが可能です。
今では、半自動や全自動式などが広まっています。
ただ、このスウェーデン試験、やはり問題点はあります。
1.まずは、対象とされる地盤が深さ10m程度の主に軟弱地盤であること。
密な砂質層や礫・玉石層などには対応していません。
このため、硬い地盤が地下まで連続している場合には問題ありませんが、硬い地盤の下に軟弱な地盤が隠れていた場合には、これを把握することはできません。
2.また、バラツキも多いことがあるため、単純に平均化することも注意が必要です。
3.腐植土層などが地中に存在する場合、鉄の棒や先端に腐植土が絡みつき地盤の強さを過大に評価する場合もあります。
4.軟弱な粘性土を深く調査する場合には、鉄の棒に周面摩擦がはたらき、これも地盤を過大に評価してしまうことになります。
このように、簡易的にできる調査である分、得られた情報を十分に吟味する必要があります。
私の個人的な考えですが、やはりボーリング調査をするのが一番だと思います。
ボーリング調査であれば、地面の下の土を取り出して見ることも可能です。
「戸建住宅の地盤改良・補強工法(日本材料学会 地盤改良部門委員会)」より引用

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