地形の特徴

戸建住宅において、宅地を選ぶ場合には、その土地がどんな地形であるかをよく見ておく必要があります。
地形にもいろいろな種類があります。大きく分類すると下のようになります。
1.低地
約1.8万年前から現在に堆積した第四紀層(沖積層)の地質です。
日本の主要都市のほとんどは低地にあります。
礫などの粗い粒子で構成される場合は安定していますが、軟弱な粘土層や腐植土層が存在する場合には沈下に対して警戒が必要です。
低地の代表的な微地形にはa.自然堤防とb.後背湿地などがあります。
a.自然堤防
低地でありながらまわりの水田より1~2m高くなっています。表土から比較的安定した砂質土が堆積しています。古くから街道や集落が発達しており生活の場として利用されてきました。
b.後背湿地
自然堤防の背後に広がる低地です。多くは水田として利用されてきましたが、盛土されて宅地となっていることも多い。
粘性土を主体とした軟弱層が数m~数十m続くこともあり、いわゆる軟弱地盤と呼ばれています。
2.台地、段丘
約170万年前から1.8万年前までに堆積した第四紀層(洪積層)の地質です。
台地の平坦面形成は堆積によるものと浸食によるものがあります。
礫や砂、粘土以外に火山灰を起源とするローム層がみられることが多くあります。
住宅地盤としては良好ですが、切土、盛土など人工的に宅地がつくられた場合、自然状態と比較すると極端に地盤強度が低下することがあります。
3.丘陵地
約170万年以前の第三紀層の地質です。
台地よりも標高が高く平坦ではありません。住宅地盤としては良好ですが、大規模な宅地造成によって宅地化されることが多くあります。さらに地すべり地などの地盤では中位が必要となります。
4.人工地盤
人工的に地形が変えられた地盤です。台地や丘陵地では山を削った切土と谷を埋めた盛土で造成されるところが多くあります。切土盛土の境目の宅地や擁壁背面付近の盛土の沈下が問題となることがあります。
このように、色々なタイプの地盤が存在します。宅地を検討する場合は、周辺一帯の全体的な地形も考えておくほうが無難でしょう。

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