私が土壌水分計の観測を行っているところでは樹幹流も計測しています。
設置の方法は樹木にカラーを巻きつけて樹木を伝わって落ちてくる雨水を受けるだけです。
単純なのですが、なかなかどうして自然相手ではうまくいきません。
樹皮の凹凸をうまく防ぐことができず、どうしても漏れが生じてしまいます。
そんなわけで、実際に樹幹流を観測している方に直接アドバイスを頂きに行ってきました。
伺った先は、愛知県瀬戸市にある東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林 生態水文学研究所です。
ここでは、90年以上に及ぶ水文観測のデータが蓄積されています。
実際に樹幹流を観測している箇所に案内してもらいました。
落葉樹を対象に林内に降り注ぐ雨についていろいろ観測を行っています。
こちらが樹幹流の観測装置です。
測定手法は私達が実施しているものとほぼ同じ構造です。
樹幹流の水量は雨水タンクに貯留させていました。
多いときは一降雨で、このタンクが満水になることもあるそうです。
樹幹流を受ける箇所には、やはり細かいところで一手間が施されていました。
樹皮の凹凸を無くすために表面の樹皮を削り取ってできるだけ漏れがないようにしてありました。
シリコンでコーキングしていますが、その厚みもかなり多めに取ってありました。
ここまでしないと樹幹流はうまく観測することができないようです。
ほかにも樹冠通過雨量の観測もしていました。
研究レベルの精度の高さは、さすがです。
非常に参考になる部分が多くあり勉強になりました。
比較的近いエリアで同じ様な観測を行っていることがわかったので、今後は観測結果の情報交換などできれば嬉しいですね。
また、伺わせてもらいたいと思います。