矢作川方式

昨日ご紹介した「粗朶沈床(そだちんしょう)」による濁水の管理方法は、「矢作川方式」と呼ばれています。これは、「矢作川沿岸水質保全対策協議会」という組織が主体としてとられている流域管理の手法です。別名「矢水協(やすいきょう)」呼ばれています。
昭和40年代に乱開発により被害を受けた矢作川を守ろうと発足したもので、現在では矢作川流域内で大規模な工事をするときには、この矢水協の承諾を得ないと着手出来ないようになっています。
これだけ、きっちりと流域管理の意識をもって取り組んでいる所は、日本でも数少ないみたいです。
「矢作川方式」というものは、以下の考え方をもって取り組むことにあります。
・土と水との接触範囲を少なくする。
・雨水は溜めて、ゆっくり流す。
・発生してしまった濁水をいかに少ないままにしておくか。
・発生してしまった濁水を以下に処理するか。
上記のような考え方を持って、事前に下調べをきちんと行い取り組むことで工事中の濁水の発生を抑えることが可能となります。
濁水処理には、仮設の溜池(沈砂池)に竹粗朶を設置したものが主流となっています。
また、独自の厳しい水質基準も定めています。
このようなハード面だけでなく、ソフト面(たとえば工事関係者の防災管理意識など)の向上の必要性も取り上げています。
解説本もあります。「濁水に挑む(矢作川環境技術研究会)」
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