森林の機能

森林の機能のひとつに「洪水を緩和する機能」があります。
さて、この機能ですが、すべての森林が備えているわけではありません。
通常の森林土壌にはスポンジのように多くの穴があいており、雨水を大量にふくむことができる。と、いわれています。
はたして実際はどうでしょうか?
地表面に落ち葉や下草があれば、雨滴の衝撃から土壌の表面を保護し雨撃層を作らせることはありません。
もしも落ち葉や下草がなければ、雨撃層の形成により、どんなに軟らかい土壌でも雨水はしみ込まなくなってしまいます。
なので、洪水を緩和する機能を維持するためには、スポンジのように軟かい土壌と、それを守る落ち葉や下草などが必要なのです。
このような「健全な森林土壌」があってこそ、洪水緩和機能が発揮されるのです。
放置された人工林では、地表面に光が入らないため下草は生えず、落ち葉も存在しません。
このような森では本来の機能を発揮することはできません。
「森林飽和(太田猛彦)」より引用

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