森は水を貯めるのか

森林水文学では、水文学とその関連する諸科学の知見や観測データを駆使して、科学的推論によってできる限りの確からしい評価を下そうとしてきました。
その結果、大枠の評価は次のように固まってきました。
1.山林・森林が荒廃していた時代と比較して、洪水を緩和し、水資源を守り育てるという機能がある。
2.その一方で、年間流量や年最小流量のような河川流量は減少する方向へ向かっている。
3.しかし、実態の河川流量はダムでの貯留や各種の取水の影響のほうがはるかに大きく、下流河川への森林の影響は実感できる程度にはない。
森林が回復したからといって、水が豊富になったわけではなさそうです。
逆に河川では流量の減少傾向が見られています。
森林が回復したといっても、放置林などがあり、森林そのものの質が問われています。
まだまだわからないことはたくさんありそうです。
「森林飽和(太田猛彦)」より引用

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