霜柱のできる土その5

霜柱のできる土のしくみは、だいたいわかってきました。
でもこの霜柱、場合によってはちょっとやっかいものです。
たとえば、植物に対しては、根が霜柱によって切断されることがあります。
また、土壌が凍結している地方では、地中に固結した氷層があるので、春になって地表の霜柱が溶けても、水は地中にしみ込んでいくことができません。そのため地表は泥水でおおわれ、植物が腐ってしまうこともあります。
地中の霜柱などがとけた場合には、持ち上げられた土は、そのまま表面に残されるとこともありますので、土のなかに空洞ができてしまいます。
場合によっては、建物自体を持ち上げたり、斜面では霜柱によって浮き上がった土が崩れることもあります。
ただ見て楽しんでいる霜柱も、時には困りものになってしまうこともあるのです。
霜柱の被害.jpg
今週の記事に用いた図は、すべて「土のはなしⅢ-土質工学会(技報堂出版株式会社)」より引用しました。

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