スウェーデン試験

簡易な地盤調査の方法としてスウェーデン試験というものがあります。
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住宅地盤の調査などでは一般的に行われているようですが、
個人的には嫌いな調査方法です。
先日の構造物の基礎確認調査で、当初計画時のスウェーデン試験を実施しましたが、表層部にガラが含まれていたために、地表からわずか30cmあまりで試験不能になってしまいました。
しかも、地中の何にあたって貫入不能になったのかわかりません。
これでは、調査の意味がありません。
試しにスコップで掘り返してみると、拳2つ分程の大きなコンクリートがらがありました。
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スウェーデン試験は、ロッドの上に100kgのおもりを載せて回転運動のみで貫入量を計測する試験です。
このような大きなガラや礫を打ちぬくことはできません。
地表付近にこのような硬い礫層が存在する場合、いくらその下に軟弱な地盤が存在するとしてもスウェーデン試験では調査できません。
住宅地盤では「地表から30cmで貫入不能です。硬い地盤です。」なんて評価もされかねません。
これが、私の嫌う理由です。
このような調査手法がまかり通っている住宅地盤調査の怖さを感じます。
もちろん、軟弱な地盤であれば、それなりに調査することはできまし、今はスウェーデン試験機自体も自動化が進んでおり、ある程度の礫であれば、打撃により砕いてくれるものもあります。
あとは調査員の力量にかかっているということでしょう。
ちなみに、もし私が地盤調査の依頼を受ければ、間違いなくスウェーデンはしません。うちの小型動的貫入試験機PENNYをおすすめします。

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