土壌の水と植物

植物は必要とする水の大部分を根から吸収します。
なので、土壌中の水はとても重要です。
前にもお話ししましたが、土壌には一定量の水を含む容量があります。
この容量を超えた水は下の方に速やかに浸透します。
つまりどれだけたくさんの雨が降っても、土壌中に蓄えることの量は変わりません。
雨がやむと、重力による水の流れが終わり、一定量の水が保持されます。
この水は主に、土壌粒子間の毛管力によって引き止められています。
この水は「毛管水」や「懸垂水」と呼ばれます。
植物が吸収することのできる水は、この「毛管水」になります。
毛管水の他にも、土粒子と水分子が分子間力で結ばれている水があります。
これを「吸着水」と呼んでいます。
この水は、とても強い力で土粒子と結びついているので、なかなか離れません。
この水は、植物も吸い取ることができません。
土壌中の水状態.gif
植物のためには、いかにこの毛管水をたくさん取り込める土か?が重要になります。
このためには、ほどよく柔らかさで隙間がたくさんある、しかも根を張るのに適度な硬さもある、というような適当な感じの土が求められます。
ガチガチの地面では、隙間もなくて水が保持できないですからね。
ある程度の隙間があって、しかも硬さもある、形もある程度変えることもできる。
こういう素材って人工物ではなかなかありませんよね。
やっぱり「土」ってすごいと思います。

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