面積降水量その2

面積降水量を求める方法は4つあると言いました。もう少し詳しく説明しましょう。
面積降水量.jpg
1.算術平均法
この方法は単純に領域内の地点降水量の算術平均値をもって面積降水量とする方法です。観測地点が均等に、しかも十分な密度で配置されていれば良い結果が得られますが、そうでない場合には無視できない誤差が生じることがあります。
2.ティーセン法
観測地点の分布が不均等な場合に、各地点降水量が代表する範囲(ティーセン多角形)の面積割合に応じて加重平均値を求める方法です。
古くから面積降水量の推定に多用されてきた代表的な手法ですが、単純な幾何学的概念に基づくものであるため降水量分布の不均一性を考慮する上では限界があります。
3.等降水量線法
この手法は、まず等降水量線図を描き、等値線間の面積とそこでの平均降水量を掛け合わせ、それらを領域内ですべて合算したのちに総面積で除すことによって、面積降水量を求める方法です。
等降水量線図を精度良く描くことができれば有効な手法となりますが、観測地点の密度が十分でない場合(特に山岳域)では信頼性が劣ります。
4.雨量・高度法
降水量は標高とともに増加する傾向が多いので、地形図から各高度帯の面積を求めておき、高度と降水量の関係から高度帯面積加重平均値を求める方法です。
山地を含むような領域でも良い結果を生み出しますが、高度と降水量の関係が明瞭でない場合は適用できません。
以上のように様々な方法がありますが、最近ではコンピュータを駆使し大量のデータを処理して解析するような手法も実用化されているそうです。
いずれにしても、推定精度は観測地点の密度に大きく依存します。
多ければ多いほど良いものとなります。
最近では、気象庁アメダスの他に、国土交通省や地方自治体、電力会社などの情報提供をしているようなので、うまく利用すれば精度は上がりそうですね。

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