蒸発散と土壌水分

土壌面からの蒸発散も植生からの蒸発散も土壌水分に強く依存することがわかっています。
裸地面蒸発が、どのように土壌水分量に影響するのでしょうか?
土壌中に浸透した降水は、土壌水分として土壌中に蓄えられます。
蒸発に必要な熱が放射などによって地表面に供給されると、まずは表層土壌中の間隙水が気化し、大気中に放出されます。
蒸発した分の土壌水分はより深い土壌中からの水分移動によって補われます。
このような、降雨直後の表層土壌水分が豊富な時の土壌面蒸発を「蒸発の第1段階」と呼んでいます。
この段階が続くと、地表面からの蒸発量に深い土壌から表層への土壌水の補給が追いつかず、表層土壌水分が乾燥して行きます。このため、土壌水が気化する深度が表層から少しずつ深くなっていきます。
さらに進行すると表層に乾燥した乾砂層が形成され、これにより蒸発量が抑制されます。
このような状態を「土壌面蒸発の第2段階」と呼んでいます。
乾砂層の厚さは、温帯湿潤気候の日本では数cm程度で、乾燥気候では数mから数10mにも達します。

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