粗朶沈床

昨日に引き続き河川伝統工法です。
「粗朶沈床(そだちんしょう)」と呼びます。
この工法は軟弱地盤の低地に住むオランダ人が生み出しただそうです。
粗朶とは、里山の雑木から伐採した木の枝のことです。粗朶の材質としては、栗、樫、クヌギ等の堅固で靭性(「じんせい」粘り強さ)に富んだ樹木等、数多くの広葉樹(雑木)があります。
粗朶沈床工は柔軟性に富んでいるため、河床の変化に馴染みよく設置でき、その後の河床の変動にも追従して変化するなど、屈撓性(「くっとうせい」しなるように曲がること)に富んでいるため護岸根固に適しています。近年では砂浜海岸の浸食防止に施工されている離岸堤(「りがんてい」)の基礎の他、防波堤の基礎にも採用されているそうです。
また、素材間の隙間の形状が多様で、流速の変化も大きいため、小魚類や底生動物などの様々な水生生物の生息空間をつくりだしています。
昨日ご紹介した「伊納木材株式会社」さんのHPに施工事例が紹介されています。
http://www.inomoku.jp/002sodatin.html

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