河川堤防の盤ぶくれ

河川周辺の地盤で発生する現象に「盤ぶくれ」というものがあります。
これは、洪水時に河川水位が上昇すると河川水が透水層内の水圧を高め、表層を膨らむように変形させる現象を言います。
さらに現象が進むと、表層の最も抵抗の少ない箇所を突き破って土粒子を含む水を噴出させます。
発生のシナリオは下図のようになると考えられます。
盤ぶくれ発生シナリオ.gif
1.河川水位が上昇し、堤防付近の透水層内の飽和度が増加する。
2.飽和度が上がると、理論上河川水による水圧がすべて被覆土層に伝搬される。被覆される地層が粘性土など難透水層の場合は特に注意が必要。
3.さらに河川水位が上昇すると被覆土層が膨れ上がり始める
4.最終的には被覆土層が破れて漏水や噴砂が発生する。
このような現象により、河川堤防の盤ぶくれが発生すると考えられています。
地盤工学会誌 Vol.60 No.4 Ser.No.651より引用

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