霜柱のできる土その3

霜柱ができる様子を考える前に、土の中の水の様子をみてみましょう。
畑の土などをさわってみると、見た目はただの土ですが、手のひらにしっとりと水がつきます。
このような土の中の水を土壌水(間隙水)とよびます。
この水は土の中から流れ出すようなものではありません。
ストローをコップの水の中に入れると、ストロー中の水面がコップのなかの水面よりほんの少し高く上がります。
この現象を毛管現象(もうかんげんしょう)といいます。
土のなかでも、これと同じ原理で土の粒と粒の隙間に水があります。
土の粒と粒の間につづみ型に水がひっかかっています。ちょうど粒子間にぶら下がった状態になっているので懸垂水(けんすいすい)とよびます。
雨が降ると、この水が下に押し出されたり、天気の良い日は毛管現象により持ち上げられたりしています。
植物もこの水を利用しています。
もうひとつは、土の粒のまわりを薄く取りまいている水があります。
これを結合水(吸着水)とよんでいます。
この水は土の粒と固く結びついているために、離れることはなく、植物も吸うことができません。
懸垂水の図.jpg
このような土のなかの水が霜柱を作る元になります。

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