土の締固め特性2

土の締め固め曲線が凸状になるのは、土中における水の役割によるものです。
含水比(土の水分状態)が低い状態では、土は「不飽和状態」にあります。
土中の水は下の図のように、表面張力の作用で土粒子間の接点に吸着した水の働きにより粒子間に結合力が生じます。これを「メニスカス」とよんでいます。
土粒子間に懸架される.gif
この力により土粒子はお互いに引きつけられますが、この力が鉛直方向の抵抗力となっていまい、粒子の移動を妨げる「摩擦力」が生じてしまいます。
このため、含水比の低い土を締め固めても、この作用により土粒子の相互移動が起こりにくく、土はあまり締め固められません。
逆に粒子間の結合力は、含水比が増加して粒子間の水の体積が増えるに従い、小さくなっていきます。
このため、含水比が大きくなると土粒子は相互に移動しやすい状態になり、締め固めた時の土の乾燥密度は増加します。
ただし、含水比が増えすぎると飽和状態に近づき土中の隙間に水が満たされてしまい、土の密度を上げることができなくなってしまいます。
このような作用により土の含水状態により締め固め曲線が変化していくのです。
土の中に水があると締め固まらないようなイメージがありますが、ある程度の水分があるとよく締め固まります。
また、水分が多すぎるとぐちゃぐちゃするだけで締め固まりません。

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