水中の溶存酸素

地下水や表流水の中に溶け込んでいる酸素の量を「溶存酸素(DO)」と呼びます。
水の中の酸素と言われてもなかなかピンとこないかもしれませんが、水中生物にとっては必要不可欠のものです。
一般に魚介類が生存するためには溶存酸素量は3mg/L以上、できれば5mg/L以上が必要とされています。
この溶存酸素を知るためには、少し変わった採水ビンで水を採る必要があります。
フランビンと呼ばれるとっくり型のガラスビンで、気泡が入らないように静かに採水します。
採水した後には、すぐに薬品で酸素量を固定する必要があります。
採水して薬品で固定するとこんな感じになります。
この状態で現地から分析機関へ搬入します。
IMGP4625.jpg
上の写真の左側2つと右側2つをよくみると、底に溜まった沈殿物の色が微妙に違うことがわかるでしょうか?
左側2つは、地下水(地下から汲み上げられた直後の水)、右側2つは沢水などの表流水(しばらく地表近くを流れてきた水)です。
沈殿物が茶色っぽい方が酸素が多いことになります。
これをみると、表流水では水が流れることにより水中に酸素を溶け込ませていることがわかります。
IMGP4626.jpg
こちらは左側の方、沈殿物が白っぽく、酸素は少ない。
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こちらは右側の方、沈殿物は少し茶色、酸素は比較的多い。
同じ水のように見えても、全く違うということがこんなことからもわかります。

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